なぜ Excel なのか
リアルタイム監視というと、
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専用の監視システム
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BIツール
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大規模な基盤構築
を想像されがちです。
しかし実際の現場では、
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まず「できるかどうか」を確認したい
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装置ログの価値を関係者に理解してもらいたい
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上司・経営層に説明できる形が欲しい
という段階が必ず存在します。
その“入口”として最も有効なのが Excel です。
全体像(疑似リアルタイム監視)
この構成は、
実際に製造現場で使われている、現実的な方法です。
ステップ1
設備データを「そのまま」SQLテーブルに登録する
まず行うのは、
装置ログを加工せず、そのまま保存することです。
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1秒ごと
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もしくは数秒ごと
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各ログを「1行=1レコード」として登録
ポイントは、
「後で使うかもしれない情報を、最初に削らない」
ことです。
この段階では、
解析しやすさよりも“完全性”を優先します。
ステップ2
SQL MID関数で「意味のある項目」に分解する
次に行うのが、
1行ログの分解です。
このようなログから、
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TEMP
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PRESS
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MIX
といった項目を
SQL の MID 関数などを使って切り出します。
ここで重要なのは、
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ログ形式が多少バラついていても対応できる
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装置側を変更せずに実現できる
という点です。
👉
MES や SAP に手を入れずに実験できる
これが現場では非常に大きな意味を持ちます。
ステップ3
Excel で「見える化」と「気づき」を作る
分解されたデータは、
Excel から SELECT 文で取得します。
Excel 側で行うこと
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データリスト表示
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時系列グラフ表示
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変化点の可視化
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閾値超過の判定
Excel には、
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条件付き書式
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グラフ
といった、
即席の監視に必要な部品がすべて揃っています。
点滅と音声アラートが持つ意味
この仕組みで実現できるのが、
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セルの点滅
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色変化(正常/注意/異常)
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音声やビープ音による通知
です。
これは単なる演出ではありません。
人は「数値」よりも「変化」に反応する
という、
現場運用上きわめて重要なポイントです。
疑似リアルタイム監視の価値
この構成の価値は、
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完成形ではない
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しかし「実現可能性」を明確に示せる
点にあります。
実際、これを見た管理職や経営層からは、
「そんなことが、もうできているのか」
という反応が返ってきます。
本格監視への自然なステップアップ
この Excel 監視は、
ゴールではありません。
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監視項目が固まる
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閾値が定義できる
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効果が見える
この段階に到達したら、
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BI ツール
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専用ダッシュボード
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本格的なアラート基盤
へと、
迷いなく移行できます。
まとめ
「できるかどうか」を議論する前に、
「ここまで、もうできている」
それを示すのが、この方法です。
※注釈:「疑似リアルタイム」とは
本ページでいう「疑似リアルタイム」とは、
装置データを秒単位で蓄積した上で、
Excel 側で一定間隔(例:1分サイクル)に処理を実行し、
直近データの変化点を確認・判定する方式を指します。
といった処理を繰り返すことで、
実運用上はリアルタイムに近い監視を実現します。
なお、ミリ秒単位の即時性を求める
制御系のリアルタイム処理とは区別するため、
本ページでは「疑似リアルタイム」という表現を用いています。
【参考】一行ログからの分析を説明
www.mitech.work
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