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業務の高速化・効率化の考え方と実装例

Excelで実現する 製造装置ログの「疑似リアルタイム監視」

なぜ Excel なのか

リアルタイム監視というと、

  • 専用の監視システム

  • BIツール

  • 大規模な基盤構築

を想像されがちです。

しかし実際の現場では、

  • まず「できるかどうか」を確認したい

  • 装置ログの価値を関係者に理解してもらいたい

  • 上司・経営層に説明できる形が欲しい

という段階が必ず存在します。

その“入口”として最も有効なのが Excel です。


全体像(疑似リアルタイム監視)

 
【製造装置ログ】 ↓(秒単位) 【SQLテーブル(1行ログ)】 ↓ 【SQL MID関数で分解】 ↓ 【Excelで取得・可視化】 ↓ 【点滅・音声によるアラート】

この構成は、
実際に製造現場で使われている、現実的な方法です。

 


ステップ1

設備データを「そのまま」SQLテーブルに登録する

まず行うのは、
装置ログを加工せず、そのまま保存することです。

  • 1秒ごと

  • もしくは数秒ごと

  • 各ログを「1行=1レコード」として登録

ポイントは、

「後で使うかもしれない情報を、最初に削らない」

ことです。

この段階では、
解析しやすさよりも“完全性”を優先します。


ステップ2

SQL MID関数で「意味のある項目」に分解する

次に行うのが、
1行ログの分解です。

 
TIME=10:31,TEMP=72.5,PRESS=1.1,MIX=ON

このようなログから、

  • TEMP

  • PRESS

  • MIX

といった項目を
SQL の MID 関数などを使って切り出します。

ここで重要なのは、

  • ログ形式が多少バラついていても対応できる

  • 装置側を変更せずに実現できる

という点です。

👉
MES や SAP に手を入れずに実験できる
これが現場では非常に大きな意味を持ちます。


ステップ3

Excel で「見える化」と「気づき」を作る

分解されたデータは、
Excel から SELECT 文で取得します。

Excel 側で行うこと

  • データリスト表示

  • 時系列グラフ表示

  • 変化点の可視化

  • 閾値超過の判定

Excel には、

  • 条件付き書式

  • グラフ

  • VBA

といった、
即席の監視に必要な部品がすべて揃っています。


点滅と音声アラートが持つ意味

この仕組みで実現できるのが、

  • セルの点滅

  • 色変化(正常/注意/異常)

  • 音声やビープ音による通知

です。

これは単なる演出ではありません。

人は「数値」よりも「変化」に反応する

という、
現場運用上きわめて重要なポイントです。


疑似リアルタイム監視の価値

この構成の価値は、

  • 完成形ではない

  • しかし「実現可能性」を明確に示せる

点にあります。

実際、これを見た管理職や経営層からは、

「そんなことが、もうできているのか」

という反応が返ってきます。


本格監視への自然なステップアップ

この Excel 監視は、
ゴールではありません。

  • 監視項目が固まる

  • 閾値が定義できる

  • 効果が見える

この段階に到達したら、

  • BI ツール

  • 専用ダッシュボード

  • 本格的なアラート基盤

へと、
迷いなく移行できます。


まとめ

  • 製造装置ログは、すでに価値を持っている

  • SQL MID 関数は、その価値を引き出す鍵

  • Excel は、リアルタイム監視の最初の実験場

「できるかどうか」を議論する前に、
「ここまで、もうできている」

それを示すのが、この方法です。

 

※注釈:「疑似リアルタイム」とは

本ページでいう「疑似リアルタイム」とは、
装置データを秒単位で蓄積した上で、
Excel 側で一定間隔(例:1分サイクル)に処理を実行し、
直近データの変化点を確認・判定する方式
を指します。

Excel のタイマー機能や VBA を用いて、

  • 定期的に SQL から最新データを取得

  • 前回値との差分や閾値超過を判定

  • グラフ更新、画面点滅、音声アラートを実行

といった処理を繰り返すことで、
実運用上はリアルタイムに近い監視を実現します。

なお、ミリ秒単位の即時性を求める
制御系のリアルタイム処理とは区別するため、
本ページでは「疑似リアルタイム」という表現を用いています。

【参考】一行ログからの分析を説明
www.mitech.work

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